モデル「ANN(アン)」取材文掲載
サンケイ新聞夕刊「創人たち」vol.5
〜アンは時代のトップ・プレゼンテーター。私は、そのための努力を惜しまない。〜

取材・文=村上美香
写真=須佐光浩


Click for large image (212KB)

サンケイ新聞夕刊コラム『創人たち』 5回目


アンは時代のトップ・プレゼンテーター。
私は、そのための努力を惜しまない。


モデル / ANN (アン)

アンに逢って、「根拠のない自信」という言葉を思った。根拠の有無にかかわらず自分に自信が持てるように
なるまでに33歳の私の場合、ずいぶん時間がかかったように思う。他人がどう思っても構わないから、自分の
好きなものを選びなさい、自分の意見を伝えなさいと言われて、何度も身がすくんだし、口をつぐんだ。あの頃の私は何をそんなに恐がっていたのだろうと今は思えるのだけど、27歳のアンは「根拠のない自信」と、努力と経験に裏づけされた「根拠のある自信」の両方をしなやかに身につけていた。すっと伸びた背筋と黒髪、アイスコーヒーを持つ右手、被写体であることを自然に意識した肩のライン、その場にいる人たちを気づかう細やかな目線、おまけに大阪の子らしい豪快な笑いっぷり。昔はコンプレックスの塊だったというのが、信じられない。「小さい頃は太っていたし、顔にキズがあったんです。そのことで苛められてたし・・・」そんなアンを変えたのは、亡き母親の言葉だった。「女の子は、顔に欠点があっても、仕草がきれいだと必ずきれいに見えるの。あなたは手足が長いから・・・そうね、きっとモデルさんになるわ。私がきれいにみえる方法を教えてあげる」まだ4歳だったアンは、将来モデルになると信じて、顔のキズをリハビリで治し、美しい姿勢や歩き方・笑い方を徹底的に学んだ。「私、努力が苦じゃないんです。15歳で母を亡くしてから、モデルとして本気で生きてこうと思いましたから。8キロ痩せろといわれたら、12キロ痩せてオーディションに行ってたくらい(笑)」今でも月に10冊以上は本を読む。ジムにはこまめに通うし、お肌にいいお茶も試す。パリやNYの街角で自分がかっこいいと思ったスタイルはいちはやく自分の中にとりいれる。「日本のファッションってどうしても右へ習え!ですよね。自分がいいと思ったものをいちばんに着たり、語ったりする勇気がない。私は、モデルとして、また、アンという一人の女として、つねに時代のトップ・プレゼンテーターでありたいと思うし、そのための努力を惜しまない」
(フリーライター 村上美香 188.j p)


プロフィール
大阪府出身。15歳で母親を亡くし、 モデルになることを決意。新聞配達で家計を助けながらオーディションを受け続ける。が、落選ばかり。18歳で運気好転。京都のクラブで出会ったドイツ人カメラマンにモデルを頼まれ、それがロンドンの雑誌「I・D」に掲載される。その後、パリコレなど世界の舞台に立つアジア人モデルとして開花。代表作は、MAZDA“PREMACY”、ユニクロ“ストレッチパンツ”TVコマーシャル、NIKE WOMEN'Sキャンペーン雑誌広告、矢沢永吉“The Truth”ビデオクリップ、TV東京・大阪“バーミリオンプレジャーナイト”、ほか。

b a c k