ファッションデザイナー 茅野正彦 妹尾裕恵 取材文掲載
サンケイ新聞夕刊「創人たち」vol.16
〜変わらぬスタイルは「二人」 みんながハッピーになれる服を〜

取材・文=村上美香
写真=須佐光浩


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サンケイ新聞夕刊コラム『創人たち』 16回目


変わらぬスタイルは「二人」 みんながハッピーになれる服を

ファッションデザイナー / 茅野正彦 妹尾裕恵

妻いわく「茅野は火のような人」夫いわく「妹尾は空気のような人」。性格は全然違うのに昔から好きなものが似ていた。いいね、と感じるものに不思議なくらい共鳴しあえた。二人が創造し、育てあげてきたデザイナーズブランド「Hico」。立ち上げから10年。あぶくのような日本のファッション界で二人というスタイルを変えずに、新宿・高島屋の海外セレクトブランドが並ぶフロアに日本代表として選ばれるまでに成長。変わったことといえば「昨年、結婚したこと」ぐらいだろうか。「二人でデザインするスタイルは、海外、特にイタリアに多いでしょうね。日本のファッションは企業が大人数で創りあげることが多いんですが、私たちは数を作ることが目的ではありませんから」。夫婦というより、息のあう大人の恋人同士。アイデアを足したり引いたりしながら、服づくりを楽しんできた。そう、楽しんできたという感覚。糸をつくる人、生地を染める人、ボタンをつける人、袖を通す人…。一人一人が、楽しいと感じる服。「その一枚に携わったみんながハッピーになれる服を創りたい」。さらにデザインにデザイナーの自己主張はいらない、と付け足す。「大切にしているのは時代の空気。一人の消費者として今、何を思うか、何が足りないか…。そのニュアンスを感じ取り、次の空気はどうか、どうなるとハッピーになるかを考えて服をつくる。それが一番難しい。」。今年は時代から感じる(もしくは足りないかもしれない)ぬくもりや優しさをノスタルジックなアールデコ調のデザインで具現化したものが多いとか。どんなに時代が変わっても、二人の願いがそこに在り、二人の笑顔がそこに在るのだろう。 (フリーライター 村上美香 188.j p)


プロフィール
茅野=神戸市生まれ、文化服装学院卒。妹尾=大阪市生まれ、大阪モード学園卒。エールフランス主催のファッションクリエーター新人賞、国際コンクール佳作、日本ファッションデザインコンクールなどで入賞。平成5年、HICO IN PASSION INC設立。大阪コレクション、東京コレクションなどに参加している。

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