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劇団「維新派」衣装製作チーム 取材文掲載 サンケイ新聞夕刊「創人たち」vol.15 〜瀬戸の島に、天の衣が舞い降りて。〜 取材・文=村上美香 写真=須佐光浩 |
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サンケイ新聞夕刊コラム『創人たち』 15回目 瀬戸の島に、天の衣が舞い降りて。 劇団「維新派」 / 衣装製作チーム 平野舞、四谷エスタ、石黒陽子、稲垣里花、江口佳子 岡山県犬島。対岸から見れば、煉瓦色の大煙突が聳える要砦のような廃墟の島。歩けば、猫か婆様にしか遭遇することのない人口約80名の小島。この無口な島が七月、島ごと“野外劇場”に変わった。仕掛人は、世界規模のパフォーマンス集団『維新派』。総勢100名を越える役者&スタッフが公演一ヶ月前から島に棲みこみ、自分たちの手で舞台を建ちあげる。主宰の松本雄吉は、はじめて犬島に渡ったときから島に咲く花の可憐な美しさに魅了されたと話す。夏芙蓉、時計草、ひまわり、朝顔、葵、ダリア、サルビア、マリーゴールド。花のイメージは台詞になり、衣装になり、舞台に咲いた。はなひら、ひとひら、はらはら、はらひら・・・舞台中盤、花の精に扮した女たちが、レースの日傘を持ち、麻色のコートをまとって現われた。そして、コートをふわりと脱ぎ、地面に広げた。すると、コートが花びらに変わる。花の精たちは、白いチュールドレス姿に変身、雌しべとなって舞い始めた。本当にこの島の花は夜ごとに舞踏会を繰り返しているかと思うほどの幻想感。「可憐な花のイメージで衣装を試作したんですけど、松本さんのイメージに合うものができなくて・・・何回も創り直したんですよ」。現在、維新派の衣装チームは5名。全員、役者。誰一人、衣装デザイナーの肩書きは持たない。が、ドレスも、靴も、帽子も、日傘も、全てオリジナル。「素材調達は、船場の繊維街や、四天王寺の古着市がメイン。以前、ウエディングドレスの会社からシミつきの廃品を大量にもらって、ゴージャスな衣装に染め直したこともありますよ」。犬島の作業場にはミシンがずらり。作業の合間に自分用のシャツやパンツを器用に創ることも。素顔の維新派は現代っ子で、おしゃれも上手。島のおばちゃんにもらった農作業用頬かむりまで自分のスタイルに取り込んだりして。編みだす衣装も素敵だけれど、舞台裏、汗だくの作業着で、頭にタオルを巻いたあなたたちを見ているといつも最高にかっこいいと思うよ。 (フリーライター 村上美香 188.j p) プロフィール 1970年に日本維新派として大阪で結成。主宰の松本雄吉を軸に、<演劇>という枠では語りきれない演劇的活動を続けてきた。野外に自らの手で建築する劇場、映画のセットのようなリアルなものから、抽象的な空間まで造り込む圧倒的な美術、ヂャンヂャン☆オペラと名付けた関西弁のイントネーションを生かした変拍子のリズムを駆使した台詞、オリジナルの音楽というすべての要素をディレクションし、構成・演出をこなす松本雄吉によって演劇の総合芸術性を体現する舞台が生み出されている。この夏、岡山の犬島という瀬戸内海の離島にて、舞台『カンカラ』を上演。日本各地から3300人のファンが押し寄せ、大成功を収める。ここに紹介する5名は、維新派の役者として活躍しながらも、全ての衣装を担当。灼熱の犬島で、慣れた手つきでミシンを操り、衣装を次々に仕立てた。 |