インテリアデザイナー「森田恭通」 取材文掲載
サンケイ新聞夕刊「創人たち」vol.10
〜森田のスタイルがやがて世界のニュースタンダードに、変わる。〜

取材・文=村上美香
写真=須佐光浩


Click for large image (170KB)

サンケイ新聞夕刊コラム『創人たち』 10回目


森田のスタイルがやがて世界のニュースタンダードに、変わる。

インテリアデザイナー / 森田恭通 (もりた やすみち)

これまで自分と同じだけの時間を生きてきた男として、森田恭通を見る、見てしまう、見させていただく・・・のだが。昔昔、出席番号後ろの方で、席も後ろの方で悪さばっかりしていたモリタクンは図画工作なんて最低の点数で、かといって、体育が得意なわけでもなくいわゆる“ゴンタ”。それも最上級の“ゴンタ”やったらしい。ヴェルサーチ欲しさにアルバイトを始める以前は、「横山やすしにしか見えへんファッション」に青春を捧げた時期もあったと笑う。34才、羊年。いまや世界トップクラスのインテリアデザイナー。ほら、関西でいうとレストランチェーンの「ちゃんと。」や「橙家」の店舗をデザインした人。昨年秋には、初の海外プロジェクトとして「橙家HK」(=香港)を完成、海の向こうでもえらい騒ぎになっている男。でも。たぶん、今、ものすごいスピードで走っているあなたが息切れや疲れを微塵も見せずしなやかにいられるのはどうして?「・・・1等賞が好きなんでしょうね。僕は、人生を5年のタームに区切るクセがあるんですが、25才までに日本のトップになる。30才までに独立。35才で世界の舞台に立つ。そう思って全部、実現させてきました。人生は一回きり。次なる目標に向けて、今は、攻めて、攻めて、攻めまくってますよ」・・・なるほど。計算、ではなく、自分をちゃんと把握している自信と余裕。この色気はそっから来ているものなのね。「昨日ね、銀座にキャバレーという名前の店を創ってきたんです。古き良き、妖艶なる社交場としてのキャバレー、かつて大物ジャズシンガーがふらりと寄ってきてノーギャラで歌ったような幻の夜に憧れてて・・・いいですよ〜。か〜なり、エロい空間(笑)!」。くぅ、連れてってほしい!だけど森田氏、どうしてそんなに次々に流行る店を作れるの?「う〜ん、流行る店という感覚はないんですね。世の中になくて、かつ、自分がほしいと思える空間やスタイルを創ってきた自負はあるけど。でも、結果として、それが次代のニュースタンダードになることは誇らしいこと」。5年タームで生きていく彼の次なる目標は、40才で世界のホテルを創ること。ますます手の届かない人になってくよなあと思ってたら、森田氏、仕事もいっしょに楽しめる奴としかしないと付け加える。「大人になっても仲良くなるのは、“ゴンタ”ばっか。みんな、土壇場強いし、リーダーシップ強いし、酒強い。世界を舞台に暴れ回ったろかって話してます(笑)」。帰り道。高校時代の悪ガキたちの顔が浮かぶ。あいつら、世界とは言わないけど、日本のどっかで今も元気に暴れてくれるといいな。(フリーライター 村上美香 188.j p)


プロフィール
1967年大阪生まれ。憧れのヴェルサーチの購入を目的に、高校時代にウインドウディスプレイのアルバイトを始める。特異なセンスと向上心でインテリアデザインを体得する一方、夜は飲食店の厨房やクラブで働く。18才で、森田恭通の原点ともいえる神戸三宮のバー“cool”(=現在も営業中)をデザイン。フリーランス活動の後、(株)イマジンにてチーフデザイナーを務める。1996年、森田恭通デザインオフィス設立。2000年、GRAMOROUS CO.,LTD.として再スタートし、海外活動を本格化。2001年秋、香港での拠点Y.MORITA DESIGN(HK)LTD.を設立し、『橙家HK』を完成させる。2002年4月、同じく香港にてカジュアルダイニングバー『Wasabisabi』、7月に居酒屋『和民』をオープン予定。9月26・27・28・29日、ロンドンの『100%DESIGN』にて、森田氏の率いるデザイナー集団EROEROと共に照明器具&家具を発表する。

b a c k