とうとう188の1F解体工事が始まりました。維新派の舞台スタッフのかなめでもある白藤たるとくんが棟梁です。2Fの事務所スペースも彼が手がけたもの。今回は、1Fの路面店、小さな不定期ギャラリーをつくることにしたのです。いま、まさにドリルの音がガガガガガーッって感じで、いろんなものをひっぺがえしている様子。肉体労働派ではない私たちは1Fでしずかにお仕事を続けていますが。今日から、ちょっとずつ、生まれていくWOMBがたのしみです。
サビニャックってご存知ですか?フランスの20世紀最大の巨匠と呼ばれるポスター作家。まったくもって同業種のおっちゃんです。もう死んぢゃったけどね。かわいいモンサヴォンの牛や、チョコレートを食ってる男の子の絵をカフェとかで見たことないですか?フレンチポップなイラストレーションです。ま、188カラーとはまったくもって違う、明るくエスプリの効いた世界なんですけどね、その、サヴィニャック展がいま、サントリーミュージアム天保山にて開かれておりまして、今回、このサヴィニャック展におけるコピーワークを村上がお手伝いさせていただいたので、みなさんにもぜひみてほしいな、ということなのです。サビニャックのヴィジュアルブックを、デザイナーの松田ゆうきさんといっしょに作らせていただきました。この冬の大仕事でした。ほとんど「便箋とペン」の創作時期といっしょだったため、頭のなかはぐっちゃぐっちゃで・・・それでも興味深い仕事になりまして、私としていちばん面白かったのは、フランス語の翻訳の翻訳、といった仕事。サヴィニャックさんのつくったデザインのAtoZみたいなポエムを、日本語に意訳するんです。フランス語の韻とか、隠語、含みみたいなニュアンスをかぎ分けて、日本で言うとこんな感じに置き換えられるんちゃうかな、というコピーワークでした。まじで難しかった。世の中の翻訳ってこういったことだったのかあ、と痛感しましたけど、苦労したぶん、とてもよいものになりました。この翻訳は、カタログの中にのっています。ぜひ、ごらんくださいね。絶賛開催中で、7月3日までです。
□レイモン・サビニャック展
□サントリーミュージアム ~7月3日
今日のライブペインティングは私の友人でもあるソプラノ歌手の深川和美がゲスト。絶対音感のクラシック畑の彼女は、建一郎たちの醸し出す不協和音を受け付けないという。はじめてのことでとても不安がっていた。しかし、その不協和音の不協和音がどのように広がるかが、今回の見どころでもあった。白い着物姿で表れた和美はものすごいきれいだった。東と鉄秀のとなりにもうひとつ人間の魂がそっと置かれているといったかんじで、静かに揺れている。静かに揺れながらときどき鳴くように声を響かせる。和美が心配していたほど肉声が全体の音のバランスを邪魔することはなかったし、女という動物の声はきもちよく二人の絵師の間に染み込んでいたと思う。本人は、絵を見ながら歌うことができなかったのでまだまだ消化不良だったようだが。さて。ライブペインティングの方は・・・今回の先手は、鉄秀。いつもより長時間描いていて、おいおいどこまでかくねん、交代は?と突っ込みたくなるぐらいやったけど、交代して東に変わるとこれまた長い。長期戦同士の闘いが続いた。長いのと満ち回のとが何回かあって、描いたものが突然上書きされてしまったり、別のものにどんどんカタチを変えていく様はなんどみてもハラハラするし面白い。今回は魚とか、阿吽の仁王さんみたいなんとか、獣とか、わかりやすいモチーフも交じっていてみている方はわかりやすい感じがあったけど、仕上がりはやっぱりめちゃかっこよかったなあ、と思う。ちょっと終わるの早いなあ、って気もしていたんだけど。鉄秀も、いつもより落ち着いた感じで、楽しむ余裕が出てきたような気がして、本人もそうだったようだ。終わってから打ち上げ。ミュージシャンチームの和美、ヴァイオリンの三木くん、太鼓のドイちゃんたちも混ざった。音楽と絵のアーティストがこんなにも関わることって実はありそうでないから、すてきな渦巻きがぐるぐるしてきたなあ、と思うのだ。好きなことをしている人はやはり強い。好きなことの波動は無条件につながる。つながっていたいしかかわっていたいし、人を動かすし、人を感じさせる。その先頭でもっとも魅力的に突っ走る二人でいてほしいと思う。
阿吽、第一日目終了しました。いつも、なにかこのライブペインティングをみていると私は感情があふれて泣きそうになる。なに?この研ぎ澄まされた空気は?と思う。東と鉄秀という二人のやんちゃくれが舞台にあがると凛とした、なにかしら墨をすっている時のような、花を生けているような、そう、私も彼らと同じようにライブペインティングという時間に向き合おうという気になるのだ。そして舞台の二人はカッコイイ。なに?このオーラは。この一本の線があるためなら、背景にあるどんな苦労をもたえてみせます~という浪花恋しぐれのような気持ちになるのだからアーティストというものはすごいし、ずるい。でもそれが良い。こんなすてきな男たちを間近に見ていられる自分はなんとしあわせなのだろうと思うのである。
とうとう週末、東&鉄秀のライブペインティングが行われます。日曜日の回はほとんど満席になってしまいましたが、土曜日は少しまだ余裕があるようです。ただ、東がいうには、土曜日はディジュリドゥというオーストラリアの民族楽器のようなものを音楽に使うらしいのですが、これが、むちゃむちゃかっこええんだそーです。土曜日は絶対かっこよーなる、と鼻息をふがふがさせておりました。日曜日は私の友人でもあるソプラノ歌手の深川和美。彼女の初挑戦なるホラーソプラノがどのように作用するか、お楽しみであります。チケットの受付は、村上までメールを。
チケットの予約 mika@188.jp
GWに休みボケをしていて、黒い図鑑のことを何も書かずにきょうになってしまいました。ごめん、学さん、ハンコちゃん。黒い図鑑は、1週間という短い時間のなかでしたが、大勢の人が集まってくださり大成功。今回は、女を描かない東 学、色を使わないハンコ、という思い切った企画だったのですが、「こっちのんがええやん、学さん」みたいな反応もいただき、なななんと、作品を買ってくださったお客様も幾人か・・・。東はいま、本当に、絵が描けているのです。油がのっている、というか、まるで生きいそいでいるかのようにアトリエにこもり、次なる作品を生み出しているのです。画家にとってこんなにしあわせな時間はないでしょう。一枚の作品の最初と最後で、線の輝きがまるで違ってくることもあるらしく、「今、俺な、絵がどんどんうまなっていってる」というのですよ。うまくなっていっている、という感覚ってすごいと思うのです。ある程度、旨くなっている人にとって、さらにうまくなっていっているという感覚。ああ、この感じをもっともっと続けていける環境をつくっていくのがマネージャーである私の仕事でもあるなあ、と京都を歩きながら思ったのです。ハンコもはじめての手作業とあって、慣れない作業を繰り返していましたが、久しぶりにとりだした刷毛やら絵具やらは、忘れかけていた大事な何かを思い出すことになったんじゃないかな。それにしても、ハンコという女は、作品において「笑い」を求めるタイプの子やったとは・・・!これは照れかくしなのか、天性のユーモアセンスなるものか。そこらへんはおいおい探ってみたいものだ。さてさて、188アートウィークがGW前にすっかり終わってしまって、こんどはライブペインティングに突入。そのあとは629、と相変わらず、あれこれやってます。仕事もしてます。しますよ。