東 學 墨画集『天妖』制作日

墨の女の息吹くまで

ある絵師と、涙もろいプロフェッショナルたちの本造りBLOG

07年5月、パルコ出版より初リリース!!

男の視線、女の視線

劇作家であり役者であり演出家でありエッセイストでありおかんであり坊ちゃんであり妖怪であり妖精であり妖艶な「わかぎゑふ」さんと、東の対談が188ギャラリーにて行われた。これは、画集のプロモーション用のリーフレットに掲載するためのもの。本屋さんや美術館のカウンターに置いてもらったり、ダイレクトメールとしてお客さんに送ったりする宣伝ツールの制作の一環なのです。パルコの藤本さんから、「がくちゃんの対談相手、誰がいいかなあ」と相談を受けて、即座に「ふっこさん(=わかぎゑふ)でしょう」と二人して答えたような気がする。だって、東の絵に触発されて、いままで描こうとして描けなかった女郎の芝居を一本書きあげた方ですから。彼女が作・演出を手がけたラックシステムの芝居『お願い』では、今回の画集にも登場する一枚の絵が、チラシにで~んと登場したし、また別の作品、『時の男』では、画集のかなり重要な位置にレイアウトされることになりそーな○○で××な絵がやはりメインビジュアルとなっている、それほどの相思相愛ぶりなのだ。ま、宣伝美術を手がけているのが、学さん本人なのだからありえん話ではないのだけどね。
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まあ、とにかく、取材が苦手な学さんを今日はなんとしても、「ちゃんとしゃべってもらおうね」というモードにするべく、東京からわざわざ編集の桑原さんとパルコ藤本さんにお越しいただき、話が横道にそれすぎんように進行とインタビューすべてをお願いした。渋い着物で登場してくださったふっこさん&きれいめの作務衣をきた学さんは、並ぶだけで、あらまあ、もうそのまま独特の世界観をかもし出していらっしゃる。「絵師というより、デザイナーというより、この人そのもの。芝居書いて泣かしたりたいな、と思うほどの人、そう、ギャフンといわしたろかいな、と思える人にひさびさにあえたなあ~と思える出会いでしたね」。とまでおっしゃってくださった。関西の小劇場の世界でこんだけ長いこと仕事をしているにもかかわらず、中島らもさんひきいるリリパットアーミーのみなさんとは、ずっとニアミスが続いていて、よく「昔から知ってるんでしょ?」といわれるのだけど、わかぎえふさんと私たちがちゃんと出会ったのは、もう本当にここ数年のことなのです。昔は、学さんと芝居を観にいって、帰りに横断歩道で信号待ちするふっこさんを見かけたりすると、「なあ、あれ、わかぎゑふちゃうん?」・・・と普通に芸能人をみるような感覚で、声もかけれずみていたぐらいですから。まあ、出逢うにはそれだけの時間が互いにかかって、互いにちょうどよいタイミングやったのかもしれないけど、お芝居の宣伝美術をさせていただくようになったりして、はじめてのパンフレットでは、うちのこたつの部屋で、インタビューをさせてもらったりしたっけ。「・・・長い間、この仕事をしているけど、こたつでインタビュー受けたんははじめてやわ」といわれたっけなあ。うちの会社のテツオくんなんか、昔から中島らもさんのエッセイの大ファンやったりして、もちろん、ふっこさんの本なんかもいろいろ読んでたもんやから、はじめて会社に彼女が打ち合わせにきたときは本当にみたことないぐらい緊張して、固まっていた。
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そんなこんなで、出会いはおそかったけれど本当に仲良くさせてもらっている方だ。対談の内容は、ここではかけないのだけど、ああ、そういう風にみていたのね、という「視線」がね、そう、「視線」というのが今回の対談の大きなテーマとなって浮上してきたのが面白かった。男の視線、女の視線、男にうつる女の視線、女をうつす男の視線・・・。小さな節穴からのぞきみたピンポイントの女たち。その女たちをとりこにした男たち。ああ、そうかあ、いい男といる女の色っぽさはそこらへんに理由があるのね。ま、対談の内容はリーフレットができあがってのお楽しみということで。大阪ミナミは千日前の、丸福珈琲よりも濃~くて深くてまろみのあるお二人のおしゃべりは続くわけですが、だんだん横道にそれてもどってこなくなったのでこのへんでおしまい。

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2006年12月19日 01:04  |  
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東 學 近影

【PROFILE】

東 學 gaku azuma

株式会社 一八八 所属
絵師・アートディレクター
1963年、京都生まれ。
父は扇絵師である東笙蒼。幼い頃から絵筆に親しむ。 アメリカのハイスクール時代に描いた『フランス人形』はニューヨークのメトロポリタン美術館に永久保存されている。 20才でグラフィックデザイナー・アートディレクターとしての頭角を現し、主に舞台やテレビ、音楽関係などのグラフィックワークを手がける。 97年、世界的に活躍する劇作家・松本雄吉にアートワークを認められ「維新派」の宣伝美術に就任。 毎日放送ハイビジョン番組『ポートレート』の映像ディレクションにて、(財)日本産業デザイン振興会主催のグッドデザイン賞・特別賞を受賞。 03年、森田恭通氏プロデュースのニューヨーク高級ジャパニーズレストラン“MEGU”にて装飾絵画(墨絵を中心にした浮世絵シリーズ)を製作。 また、06年“MEGU”の2号店(トランプタワー店)でも装飾絵図を手がけた。 04年『ジャパンアヴァンギャルド~アングラ演劇傑作ポスター100』(PARCO出版)の装丁、 05年『林静一 傑作画集 少女編 淋しかったからくちづけしたの』(PARCO出版)の装丁。 同年、画家・鉄秀とのコラボレーションによる大型作品『麒舞羅』が大阪市長賞に輝く。 アート・ディレクターとしての活躍のみならず、絵師としての活動も各界から注目されている。

※上記内容をWikipediaに投稿しました。